ホームステージングとは?~空室対策に効果的な手法~

ホームステージングとは?~空室対策に効果的な手法~

不動産業界における空室対策は永遠の課題ですが、その解決策として注目されているのがホームステージング。物件の魅力を最大限に引き出し、売買や賃貸の成約率を向上させる手法です。本記事では不動産賃貸の空室対策を目的としたホームステージングの内容を中心に解説します。

※本ブログは、大阪で創業50年以上の第一住建グループが提供する不動産ワンストップサービスINOVEの収益物件向けリフォーム・リノベーション専門サイトが運営しています。

1. ホームステージングとは?

ホームステージングとは、物件の魅力を最大限に引き出し、空室率を下げるための手法です。具体的には、家具や装飾品を配置して実際の生活空間としてのイメージを引き出し、内見者が生活するイメージを持ちやすくするための演出を行います。つまり、内見者に「住みたい」と感じてもらえるように、物件本来の価値を評価してもらうことが目的となります。部屋の使い方の提案も行うことができるので、新たな可能性を示すことも可能です。ホームステージングはアメリカではよく用いられる手法ですが、近年は日本でも空室対策として取り入れる会社が増えてきています。

(出典:ホームステージング白書2022)

2. ホームステージングが空室対策に効果的な理由

2-1. ホームページの閲覧数、問い合わせ数がアップする

ホームステージングはホームページ(ポータルサイトや自社サイト等)の閲覧数や問い合わせ数のアップに効果的です。なぜならホームステージングにより美しく整えられた部屋の写真が掲載されることで、競合の物件情報よりもユーザーの目に留まりやすくなるからです。

2022年版ホームステージング白書によれば、ホームステージングを施した写真を掲載した物件紹介ページは、その大半が閲覧数が増加したというデータがあります。これは、興味を引きつけるビジュアルがユーザーの関心とアクションを促進する効果があることを示しています。

(出典:ホームステージング白書2022)

2-2. 内覧時間が増え、成約までの期間が短くなる

ホームステージングを行った物件は、内見者の内覧時間の増加と成約までの期間短縮にも貢献します。これは、ホームステージングによって、内見者が実際に生活するイメージが想像しやすくなるからです。内見者が物件に長く滞在し、物件を理解する時間が増えるほど、物件への信頼性が高まり、より早く契約を決断するための動機付けとなるのは容易に想像できます。

具体的な事例として、弊社が管理するAマンションのケースがあります。このマンションでは引っ越しシーズンの3月末に一気に空室が5部屋出てしまい、大きな損失が見込まれました。1部屋が空くと年間で約70万円(5.8万円×12ヶ月)の損失が生じ、5部屋だとそれが約350万円にも上ってしまいます。

しかし、その5部屋のうち1部屋でホームステージングを実施したところ、短期間で4部屋の入居が決まり、大きな損失を防ぐことができました。さらにホームステージングを実施した部屋についても、家具家電付き物件として付加価値を付け、他よりも高めの賃料で契約を決めることが出来ました。

2022年版ホームステージング白書によると、ホームステージングを行った多くの物件の内覧時間は増加し、成約までの期間も短縮されたというデータが報告されています。このことからも、ホームステージングが物件の魅力を高め、早期成約に貢献する効果が見込めそうです。

(出典:ホームステージング白書2022)

3. ホームステージングにかかる費用について

ホームステージングには専門的な知識と経験を必要とするため、込み入った内容になるとオーナー自身がDIYで実施するにはハードルが高くなります。ホームステージングを業者に依頼した場合の費用は、物件の規模や目的にもよりますが、ホームステージング業対象のアンケートでは物件あたり5万~30万円の価格帯が多いようです。ただ、プロのホームステージング業者に依頼した場合でも、その品質は業者によって大きく異なるため、適切な業者選びは重要となります。

(出典:ホームステージング白書2022)

まとめ

ホームステージングは物件の魅力を最大限に引き出すことで、入居者募集において様々なメリットをもたらし、空室率改善に効果的な手法であることを解説しました。ただし、物件の状況に合わせた最適な費用対効果の判断や業者選定の難しさなどもあり、ホームステージングに投資したコストを回収できないリスクも同時に存在します。信頼できる不動産会社に、保有物件の空室対策としてホームステージングが効果的かどうか、まずは相談してみることが大事です。

無料診断はこちらから